石田のヲモツタコト

書いてるのは 石田剛 です。

【重要】まずは「石田のヲモツタコト」の中の人と「その他の石田」の分離を読んでください。

ニセ科学フォーラム2007 聴講レポート (正しい知識編)

# 2007/07/27 誤字訂正 佐巻→左巻 2箇所(しつれいしました)
# 2007/07/26 日本語の体裁を何箇所かなおした。意味は変わってないはず。
お願い:
ニセ科学フォーラム2007 行った - 石田のヲモツタコト」を先に読んでくださいね。


講演の中で「日本人は学校教育の課程で『正解を与えられること』に慣れすぎている」という話が出た。これに慣れているがゆえに、ニセ科学が提示する「ウソ正解」を、「知識」として受け入れてしまう市民が多数いる状態になったのではないかという推論(仮説というべきなのかな?)について話してたと(石田のぼーっとした頭が)記憶してる。
その後、質疑応答の中で石田じゃない聴講者の方から「『台所のシンクの排水口に 10円玉 を数枚入れておくとヌメりがつきにくい』という話を信じていたが、これはニセ科学かもしれないと不安だ」という旨の発言があった。このとき演者のお一人である左巻氏が間髪入れずに「それはだいじょうぶ(ニセ科学じゃない)です」と応じた。
石田は、これも『正解を与えすぎ』の好例なんじゃないかと思ったので、その後の質疑応答で発言を求めて「正解を即答しちゃダメなんじゃ?」と左巻氏に質問した。左巻氏からは「そうですね」みたいな応答があり、直後に菊池氏から「知識は必要ですよ」とフォローが入った。
石田の理解では、左巻氏と菊池氏と石田の発言に対立があるわけではない。もうちょっと議論すれば、たぶん 3人 とも同意できる結論に達したはずと考えている。時間はだいぶ押してたし、石田はその日二度目の質問だったのでこれ以上の議論は遠慮して、この質疑応答はこれで了となった。他の聴講者の方には、意見が対立したと認識した方がいらっしゃるかもしれない。


上記の話題について石田の理解を整理しておく。この内容に左巻氏や菊池氏が同意されるかは不明であることに注意。ここで述べるのは、石田個人の見解でしかない。
「正しい知識」は必要で、これを学校教育の課程で教師が児童や生徒や学生に与えること、つまり教師が「正解を与えること」自体は必要なことだ。けど、市民はこの「正解を与えられること」に慣れすぎてはダメで、与えられた「正解」になにかおかしなところが無いか、自分の頭で考える習慣を身に着けるべきだ。この「自分の頭で考える」を実行するためには、過去に「正しい知識」として受け入れた「知識」を利用する必要がある。
できれば学校教育の課程でも、「正しい知識」を与えるだけではなく、「探求」のやりかたについて訓練することに、もっと時間をかけられると良い。また、「探求」の訓練では、いったん「正しい知識」として受け入れた「知識」を、合理的に否定できる観察結果を得たら、その「正しい知識」を疑うことも訓練できるとなお良い。
先人の「探求の成果」を「知識」として利用することで、現代人は先人よりも進んだスタート地点から「探求」を開始できる。科学が進歩し続ける上で、これは重要なことであり、これが文明の姿だとも(たぶん)言えるだろう。


けど、ちょっとイヤーな問題もある。それは教師が子供に「ニセ知識」を教えることがあるということだ。すでに多数の「正しい知識」を身に着けていれば、ニセを見破れるかもしれないが、そうでない子供も居るだろう。
教師や教育委員会が、「水伝」や「ゲーム脳」を教材として使ってるあたりが、この「イヤーな問題」の例だろう。
子供に知識を与える必要はある。けど、教師もウソを教えるかもしれない。この問題は「探求」の訓練で解決できるかもしれない。「ニセ知識」を子供に教えてしまう教師が居なくなることは期待できないし、十分に少なくなるにもまだ時間がかかりそうだ。


「『ニセ知識』を子供に教えてしまう教師」には、石田にもいくつか心当たりがある。
石田が中学生だったとき、中学校の理科教師が「ヒトも皮膚呼吸する。オレは体験でそれを知ってる」と言い出したことがあった。その理科教師曰く「オレはプールまで走ってきて、息切れしてるときにプールに入ると息がすごく苦しくなったことがあった。だからオレが皮膚呼吸してるんだと体験で理解したのだ」とのことだ。
石田は「そこで苦しいのは水圧のせいだよ!」と心の中でだけツッコんだ。このときの石田は既に、「ヒトは胸腔を大きくすることで空気を吸う」と「水につかると大気圧より大きい圧力が体にかかる」という知識を得ていたので、この理科教師の話が「ニセ知識」だと判別できた。(ここでヒトが皮膚呼吸するかどうかを判別できたわけでないことには要注意)
ちなみに、中学生だった石田は教師の話に誤りを見つけると、遠慮なく指摘するイヤな子供だった。けど、この理科教師はしばしば逆ギレする教師だったので、このときは指摘しなかった。
この教師以外にも例はあるが割愛。石田の記憶ではこれがいちばん「悪い例」だ。


ニセ科学フォーラム2007 聴講レポート バックナンバー:
ニセ科学フォーラム2007 聴講レポート (ヤカン編) - 石田のヲモツタコト
ニセ科学フォーラム2007 聴講レポート (判決文編) - 石田のヲモツタコト
ニセ科学フォーラム2007 聴講レポート (なまはげ編) - 石田のヲモツタコト