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石田のヲモツタコト

書いてるのは 石田剛 です。

機関運用訓練 聴講レポート その1 【追記アリ】

消防団

# 2009/10/25 1箇所訂正, 1箇所追記
# 2008/11/06 単位の誤り訂正 L/sec → L/min


2008/11/08 追記:
この訓練は消防団での訓練。石田は本職の消防官ではなく、消防団員やってる。
参考:消防団に入る一般的な動機ってなんだろう - 石田のヲモツタコト


訓練の緒元は省略。各節ごとに、まず聴講した内容を記述し、その後石田が考えたことがあれば「ヲモツタコト:」と付記して記述する。内容でも用語の使いかたでも、誤りなどあればツッコミ歓迎。
訓練で得た一般的な知識だけ記述するので、守秘義務には触れないはず。

水利部署する際の水利別の注意点

  • 防火水槽

まず、水槽に水があることを確認してから吸管を伸ばすこと。吸管を伸ばした後に、水が無いことに気付いたのでは、また吸管を収納してから移動せねばならず、時間のロスが大きい。
水槽の底には土砂などがあるので、吸管の先端は底に着けず少し浮かせる。この高さをロープで調整し、ロープは地物またはポンプ車に結索する。

  • 河川

吸管の先端を川上に向けて入れる。これは、水流の運動エネルギーを、吸い上げる力に利用するため。
水面下 30cm よりも深く入れる。これより浅いと空気を吸ってしまい、吸水量が減るか最悪は水が落ちてしまう。水が落ちたらポンプは効力を失い、真空ポンプで再度水をポンプまで上げなければならなくなる。
水深が足りない場合は、スコップで川底を掘る。
川底には、ビニールシートなどを敷いて、小石などの流入を防ぐ。


ヲモツタコト:
川で水利部署するとき用の、ビニールシートかそれに代わるものを、ポンプ車に常備するべき。

吸管の先端を底につけないこと。泥やヘドロを吸わないように、吸管の先端を底から十分に離して吸水する。ただし、水面下 30cm より浅くしないように。

  • 導水口つき水槽

吸管を接続する前に、導水口になにか入っていないか、目視で確認する。空き缶などの異物が入っていると、これを吸って吸水管を塞いでしまう。ふさいだ場合は、吸管をポンプ車側で外して異物を取り除くなどの必要が生じ、時間を大きくロスする。


ヲモツタコト:
消防設備にイタズラするのは、すごくやめてほしい。
ついでに屋内消火栓の封印も、無意味に切らないでほしい。これは、駅のホームの屋内消火栓でよく見かける。

ポンプ車のポンプの性能

ポンプ自体の送水能力はおおむね 2000L/min とのこと。
真空ポンプは、ポンプから 10m 低い位置の水を吸うことができる。ただし、実用は 7m ほどと考えた方が安全。通常は、ポンプより 5m 以上低い水は取らないようにする。


ヲモツタコト:
状況に応じて、ポンプ車を水面に近づけることを考える必要があるかも。けど、ほとんどの場合は、ポンプ車を道路に置いて吸水できるだろう。近所の川で道路から水面までの高さがどのくらいか、おおむねの高さを調べて、さらに目視で高さを測る練習をしておくと吉。

水利部署するときの注意

機材を取り出しやすい場所にポンプ車を停めること。建物や塀が近すぎて、トビが取れないなどの不都合を生じさせないように配慮する。


ヲモツタコト:
このほかに後から着く隊のために、火点正面を塞がないとか、ホースカーの通る幅を残しておくとかの配慮が必要になるはず。
停めたポンプ車の近くを、災害に無関係な車両などが通ると、ホースを踏むなど不都合が生じる可能性が高い。十分な道幅を残せないなら、いっそ道路を塞ぐようにポンプ車を停めてしまうのが良いのかもしれない。

送水

  • ホース配置

少しでも摩擦抵抗が少なくなるようにホース配置する。当然、直線だけでホースが配置できれば理想だが、災害現場の地形がそれを許さない場合がある。ホースを曲げる箇所でホースを折らないように整える。

  • ポンプから筒先までの水圧損失の概算

摩擦抵抗により、ホース 1本 あたり 0.03MPa の水圧を失う。
ポンプより筒先が高い位置にあるときは、高度 10m あたり 0.1MPa の水圧を失う。
これらはあくまで概算。実際の現場では、筒先とポンプで通話または伝令して、水圧を調整する。


ヲモツタコト(1):
高度 10m で失う水圧は、義務教育の理科で習った水圧の知識と一致している。


ヲモツタコト(2):
ポンプ車より筒先の位置が高いとき、どのくらいの高さなら水が送れるか、簡単に考えてみる。
ポンプの能力が、最大 0.85Mpa 2000L/min なので、ポンプ側 0.85Mpa で送水する場合を考える。筒先で 0.3MPa を得るためには、ポンプから筒先までの損失は 0.55MPa より小さくなくてはならない。
ポンプから筒先までの高さが 35m で、距離が 120m でホースを 7本 繋いだとすると、高さによって失う水圧は 0.35Mpa で、摩擦抵抗で失う水圧は 0.03MPa × 7本 で 0.21MPa になる。この場合のポンプから筒先までの損失は、合わせて 0.35Mpa + 0.21Mpa = 0.56Mpa となり、許容できる損失の 0.55Mpa とほぼ同じ(ちょっと超過)になる。
簡単のため「だいたい高度差 30m ならポンプ車で送水できる」と覚えておく。


ヲモツタコト(3):
ポンプ車より筒先の位置が低いとき、ポンプ側の水圧が ZERO でも、ホースに水が満水になれば、その重さ分だけ筒先に水圧がかかる。筒先の水圧を 0.3MPa にするには、ポンプと筒先の高度差は 30m より小さくなければならない。
誤って、より大きな高度差で低い筒先に送水すると、筒先の水圧が過大になってとても危険なので、火点より高い位置で水利部署する場合は、十分に注意する必要がある。

筒先の放水量

筒先の水圧が 0.3MPa のとき、おおむね 500L/min の放水量が得られる。


今日はここまで。
参考:消防団に入る一般的な動機ってなんだろう - 石田のヲモツタコト


# 2009/10/25 追記
ポンプ車 1台 から出す筒先は、最大でも 3口 までとする。 4口目 の筒先を開くと、有効注水 0.3Mpa が得られなくなる恐れがあるため。筒先の水圧が不足になるときは全ての筒先が不足になり、それまでに有効注水を得ていた筒先も不足となるので、すごくマズい。
中継のポンプ車が入った場合も、その繋いだポンプ群全体で筒先を最大 3口 とする。