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石田のヲモツタコト

書いてるのは 石田剛 です。

町田市民病院と地方公営企業法の全部適用と事業管理者

暮らし

町田市民病院が 2009/04/01 に、地方公営企業法の全部適用に移行するに当たって、地方公営企業法に定める事業管理者の職を、病院の外部からお招きした方にお願いしようとしている件について、市議会の会議録から事情を読み取ることを試みる。
以下、引用は全て 平成20年健康福祉常任委員会(9月)−09月17日-01号から。

議会の専門委員会で委員の方から、事業管理者の人選について尋ねられた市長はこのように回答している。

◎市長 お答えいたします。今度お願いしようという方は四方洋さんという方で、73歳の男性です。昭和10年生まれです。渋谷区にお住まいの方です。
 経歴なんですが、一言で言えばジャーナリストです。毎日新聞昭和35年に入って、その後、経歴的には「サンデー毎日」という週刊誌の編集長をやられていました。あとは毎日新聞の編集委員ですね。平成になりまして、元年に毎日新聞をやめて、その後、アメリカで7年ほどアメリカの法人、米国内の法人の専務、社長をされております。その後、東邦大学薬学部の教授をされております。そこを4年で定年退職ということになりまして、以下はフリージャーナリストということでございます。
 大学は京都大学で、卒業学部は文学部でございます。京都十全病院という病院の理事をなさった経験がございます。病院の関係は、さっきは大学ですが、今度は病院の経験はそこですね。あとは幾つかの理事をされておりますが、直接病院の経営にタッチをしているわけではありません。理事以上の例えば病院長とか副院長とか、そういうことはやっておりません。

どうやら、病院経営のご経験は無く、医療についても特別詳しそうな経歴をお持ちではない方にお願いしようとしているらしい。そして、そのことは市長も重々承知の上のことらしい。


医療系の一部ブログでは、以前から毎日新聞はひどく嫌われてる。そこへ「元毎日新聞の編集委員が病院の責任者になるかも」という話が出たものだから、真剣に医療崩壊の加速を憂う声から、これを不謹慎なネタにして面白がる声まで、いろんな声が挙がってる。
参考:町田市民病院の事業管理者の件 - 石田のヲモツタコト

◆ 川畑 委員 そうすると、今回お願いするとしたら、病院行政というか、これは初めての経験になるというふうに私は理解しますけれども(中略)
 今まで例えば効率的な経営だとか、迅速な対応とかありました。正直言って、それをこの方はどういう形で能力を担保されているのか、今の説明を聞いてもよくわからないんです。逆に不審を持ってくるので、その辺はどうお考えなのか、お聞かせいただけますか。

まあ、上の説明だけで納得できないし、これでよいのか心配になるのは当然だろう。

◎ 市長 これは全部適用の目標の中で、経営管理というんでしょうか、あるいはマネジメントの質を上げるというのが一番大事な目標なわけですね。目的は質の高い医療を継続的に確保する、これは目的ですが、内容としては全部適用の場合は、経営管理のマネジメントの質が上がるかどうかということで、全部適用の目標は経営責任の明確化ということが記されているわけですが、その中でやはり病院の組織全体の運営というんでしょうか、これについては、この四方さんという方は、その任に耐えるだろうということでお願いをしようということでございます。
 したがって、病院医療の内容についてご存じだということはありませんし、例えば財務会計のエキスパートであるというようなことでももちろんありません。しかし、マネジメント力とか、あるいは院内のコミュニケーション能力とか、そういったものについては求められる資質ですので、それは十分満たしているというふうに考えています。全部を満たす人は当然いないので、どういうものを求めるかといえば、そこの部分を求めてお願いしようということを決めさせていただきました。

結局、この方が事業管理者の職責を果たせると考える理由については、市長の主観に基づいて「病院の組織全体の運営というんでしょうか、これについては、この四方さんという方は、その任に耐えるだろう」「マネジメント力とか、あるいは院内のコミュニケーション能力とか、そういったものについては求められる資質ですので、それは十分満たしているというふうに考えています」と言ってるだけだ。根拠はまったく示しておらず「黙ってオレ(市長)を信用しろ」と言っているに等しい。
ある意味、漢(おとこ)だが、市長はこの発言の責任を負う覚悟が、本当にあっておっしゃっているのだろうか? もし、これが元で町田市民病院が舞鶴のようなことになれば、市長を辞める程度のことでは済まないと、石田は考えるのだが。


この後、委員から (1)医師不足への対処, (2)市からの持ち出し金の減額 について質問がある。

◎市長 現在、その作業は病院としてやっていますので、まだ数字は持っておりません。もちろん、私の中では、目標とすべき数字というのはおぼろげながらありますが、それは何の根拠もないわけで、実行段階における根拠を持っている数字ではありませんので、実行可能な数字というのは持っておりません。実行可能な数字を掲げるというのが一番大事なことですので、その数値を持っているわけではありません。
 概念的に言えば、5年なら5年たって黒字になるということはまずありませんので、はっきり言えば、では、どれくらいの幅で赤字幅を抑えるかというような目標になるのだと思います。この方についても、当然その目標についての理解と組織内での展開というんでしょうか、そのことは、その方が十分に指示をしていただくということになると思います。

市長は (2) について「当面赤字は続くし、赤字幅をどのくらい減らすかの具体的な数字は考えていない」と応じた。市長が「黒字にはならない」とお考えであることは、市民としてちょっと安堵した。
けど、肝心の (1) には、完全スルーだったようだ。しかも、そのことを委員も追及しない。事業管理者に医師でない方をお招きする件の、最大の問題は医師の招聘の問題だと石田は考えるのだが、市長や委員の方々が気にしていることはそこではないようだ。

◆ 川畑 委員 (前略)
 最後に、四方さん――余り固有名詞は出したくないですが、マネジャーさん、今度お願いする方が、やはり病院の経験もなければ、言ってみれば、どこの会社の経営を立て直したかとか、そういったものもはっきりしない中で、この方だったらやっていけるよというのは、市長がお会いして受けた印象としてしかないと思うんですが、それについてはいかがですか。

◎市長 直接お会いして、病院の経営の目標についてお話ししました。数値だとか、いろんなものについては、正直言って数値は持っていませんでした。ただし、こういう仕事については非常に前向きなお答えをいただいておりますし、やる気というんでしょうか、そういったものは大変感じられましたので、そこは信頼を申し上げております。妙な言い方ですが、その点だけは間違いがないことだと思います。

ここでも「黙ってオレについて来い」としか言ってない。ますます不安になってきた。



今、市長が病院の事業管理者にお迎えしようとしている方は、医師ではないらしい。とすると、この事業管理者のほかに医療法に定める管理者にあたるポストが、全部適用に移行した後の市民病院にもあるはずだ。当然、その管理者の職は医師の方にお願いすることになる。
願わくばこの管理者の職を、医師にとって魅力的な方にお願いして、今後の医師招聘や医業に支障の無いようにしていただきたいと、石田は考えている。



このことに関して、石田が町田市議会の市川勝斗市議のブログ「市川勝斗のブログ!:危ないの?」につけたコメントを、以下にも転載しとく。

「危ないの?」に関して、石田は「危ない」とまでは言い切らないものの、不安は感じています。
春から地方公営企業法の全部適用が決まっており、病院改革案も練られつつあることから、職員の方々が変化が起こることへの不安を、おそらくは感じておられるでないかと、石田は考えています。
そこへさらに、全部適用後の事業管理者に医師でなく、医療や病院経営の経験も無い方を、病院外部からお招きするとなると、病院職員の方はよりいっそう不安を強くするのではないでしょうか。
せめて、市長からなぜ四方洋氏が事業管理者として適任と考えたのか、この方にどういうことを期待しているのか、の説明が必要だと石田は考えます。9月議会での市長の説明は、具体性に乏しく甚だ不十分だと、石田は考えています。
さらに、四方洋氏が事業管理者となる予定なのであれば、春以降にどのような方針で病院を運営するか、具体的に示されなければ、やはり病院職員の方々は不安を強めるだろうと考えます。
Posted by 石田剛 at 2009年01月31日 05:49

(つづき)
最近は、医師が大量に病院を去ることで、病院の機能が失われてしまうケースも、たびたび報じられております。そして、石田は病院職員の方々が、不安を感じておられるだろうと推測しています。このふたつの事情をあわせて考えて、石田は市民病院の近い未来につ、不安を感じています。
今、市民病院の職員の方々が、どのようにお考えであるか、ぜひその意見を知りたいと考えていますが、そういう物は議会からも報道からもあまり伝わってきません。
わずかに朝日新聞の多摩版が以下のように伝えたものに触れた程度です。
http://mytown.asahi.com/tama/news.php?k_id=14000000901270001
>  しかし、病院の医師や職員の間には困惑や動揺が続いて
> いる。医師不足から昨年9月に休止した小児科救急の対応
> などの課題もあり、「改革は時期尚早。今後の医師確保が
> できるのか」と疑問を口にする人もいる。
これが病院職員の方々を代表する声なのか、一部の方の声なのか、新聞記者の創作なのかは石田にはわかりません。
石田の「病院職員の方々が、不安を感じておられるだろう」と言う推測が、杞憂なのであればそれで良いのですが、今のところそれを確認できていません。
石田は 12月議会 の会議録はまだ読めませんので、もし 12月 の議会でこのような不安が払拭されるようなことがあったのであれば、その旨ご指摘いただければ幸いです。
Posted by 石田剛 at 2009年01月31日 05:50

ところで、報道によると山口総院長は「市長から辞職を迫られたが、詳しい理由の説明はなかった」と主張されているそうです。
http://mytown.asahi.com/tama/news.php?k_id=14000000901270001
「市長が山口総院長に辞職を促した」のが事実かどうか、石田は判断ができていません。もし、事情をご存知でしたらご教示いただけましたら幸いです。
もし、そういう事実があるのだとしたら、市川市議が主張されている「今、現に一生懸命働いている行政職員や医師・看護師を認める事が出来ない人が市民病院を支えることが出来ますか?」の、「行政職員や医師」には山口総院長が、「認める事が出来ない人」には石坂市長が、それぞれ含まれることになります。
必要であれば、市長に苦言を呈することは、市議の仕事のひとつだと石田は理解しています。石田は今のところ市民病院職員の方のお考えや事情が十分にわからないため、市川市議のご意見への同意/不同意の判断は保留しますが、市川市議ご自身は市議としての矜持を保って、毅然とした態度を取っていただけることを期待しています。
Posted by 石田剛 at 2009年01月31日 06:03