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石田のヲモツタコト

書いてるのは 石田剛 です。

町田市パブリックコメント「町田市民病院中期経営計画(案)」

暮らし

町田市の募集しているパブリックコメントに、石田の意見を e-mail で送ったので、主に石田が読み返すためにここに転載しておく。もし、どなたかが不備を見つけてツッコんでくださるなら望外の幸い。


冒頭の挨拶部分と、石田が書いた住所・氏名・電話番号および e-mail のシグネチャは削ってある。


パブリックコメントの募集ページ:
http://www.city.machida.tokyo.jp/shisei/torikumi/kocyo/publiccomment/publiccomment_now/byouintyuukikeieikeikaku/index.html


パブリックコメント募集のために公開されている資料:
中期経営計画(案)の考え方
表紙、目次、1ページ〜13ページ

パブリックコメントの募集に応じて、石田の意見を述べさせていただきます。
(ここに石田の住所・氏名・電話番号が書いてあったが消した)


1. パブリックコメントに直接かかわる意見


1-1 計画と事業管理者による意思決定とのかかわり
町田市民病院は、 2009年4月 から地方公営企業法の全部適用に移行することが決定済みと伺っております。
この計画が、地方公営企業法にいう事業管理者の意思決定にどのように関わるのか、計画本文から読み取ることができませんでした。
事業管理者の意思決定が計画に拘束されるのか、計画を参考にするのみなのか、事業管理者が計画を見直すことができるのかなどを明示し、その認識を事業管理者と市民が共有するべきと考えます。
このことを、「町田市民病院中期経営計画」に明記すべきと考えます。


1-2 医療従事者の働く環境への配慮を盛り込む
以前、医療従事者の就業環境について問い合わせた際、医療安全対策室から医師の就業時間を把握していない旨の回答を頂いております。
その際、石田は以下の懸念をお伝えさせていただいております。
(1) 医師が過重労働になっていることを管理職の方が気付くか
(2) この勤務状況が労働基準法その他の法令に違反していないか


また、世間では医師が病院から去ることによって、病院経営が急速に悪化する例が、多数報じられております。建物や設備が整っていても、医師が居なければ医業収入が得られないことは、石田が指摘するまでも無いことかと存じます。


この状況においては、病院で働く医療従事者の方が「町田市民病院で働きたい」とお考えになられるように、就業ルールを定めることが、病院経営のうえで極めて重要と石田は考えます。この修業ルールの適正化について、計画に盛り込むべきと石田は考えます。


また、医療の高度な専門家である医師の方は、多くの場合単に就業条件の良さだけではなく、より高度な技能や知識を身につけることのできる環境で医療に関わりたいとお考えではないかと、石田は愚考しています。
このような環境を備えることができるよう、医療の計画について現場の医師など医療従事者の方の意見を、事業管理者の方が尊重する仕組みを備えることを、計画に盛り込むべきと石田は考えます。


1-3 独立採算を志向すべきでない
計画の page3 3.基本方針 (3) に「独立採算の原則に基づき」との文言がありますが、これは削除すべきと考えます。


石田が知る限り医療は福祉です。かつ、日本の診療報酬制度は統制経済であり、自由市場経済の場合と異なり、不採算の医療分野があってもその供給価格を自由に変えることができません。もし、不採算であるがゆえに社会に不可欠な医療の供給を損なうことがあれば、それは医療行政の失敗であると石田は考えます。
この状況においては、医療の経営は採算ではなく、福祉としての医療の要否や需給を主な指標にして、経営すべきと考えます。その結果、医業の収支が赤字になったとしても、それは社会が支えるべき福祉の支出であると、石田は理解しています。


統制経済の理屈から言えば、社会に必要な医療を充足させることで、自動的に採算が赤黒均等になるのが理想ではありますが、そのような統制が不可能であることは自明です。
また、市民病院には、地震パンデミックなどの災害時に一時的に急増する医療の需要に対応する機能も求められるはずです。このような、災害に備えるための投資は、通常収入を生まないことにも注意する必要があることは、石田が述べるまでも無いこととは存じますが、念のため述べておきます。


1-4 インセンティブ給与について
page7 に「インセンティブ給与制度」の導入について触れられています。
従事者の方個々の能力や成果を、従事者の方全てが納得できる方法で、公平に評価することは極めて難しいと、石田は理解しています。最悪の場合、能力の高い方に報いるために、インセンティブ給与制度を導入した結果、その能力の高い方を含めて、従事者全員の意欲を損なうことになる可能性もおおいにあると、石田は認識しています。
インセンティブ給与制度はリスクの高い試みだと、石田は考えます。


インセンティブ給与制度は、評価の仕方や結果について、評価される側の方の意見を取り入れながら、運用されますようお願いします。これは、とても難しいことですので、この運用のためにかえって大きなコストがかかる可能性もあります。
これが病院経営に悪影響を与える場合は、インセンティブ給与という仕組みが病院にとって不合理である可能性もあります。このことも踏まえてご検討をお願いします。


2. パブリックコメントに間接的にかかわる意見


2-1 「医師確保」という言葉について
医師は、医療の供給に欠かせない、高度な知識と技能を備えた専門家です。そのような方をお招きするのに、医師でない者が「確保」という言葉を使うのは、好ましくないと石田は考えます。こういう場合は「招聘」という言葉を使うのが適切と、石田は考えます。


2-2 基本理念「患者さま中心の医療」について
そもそも医療は、サービス業の類ではなく福祉であると、石田は理解しています。だからこそ、営利企業による病院経営は禁じられており、医療費の大半は、患者本人からではなく健康保険等から支払われているのだと、石田は理解しています。そして、その健康保険等は社会全体でお金を出しあって維持しているもののはずです。


このような状況で、患者を「お客様」であると認識するかの様な文言が、町田市民病院の基本理念に掲げられていることに、石田はまったく同意できません。


医療という福祉の拠点である町田市民病院が、医療の受けてである患者の方の利得の向上を意図することは、自然なことだと石田も考えます。
しかし、同時にその医療を直接現場で支える方にとって、町田市民病院が魅力的な場所でなければ、福祉である医療を維持することはできないとも、石田は考えています。


今回の計画案とは、直接関係無いことではあるのかもしれませんが、ぜひ基本理念に「医療を支える方(主に医療従事者)の自己実現と幸福」についての視点を盛り込んでいただけますよう、お願いいたします。


ちなみに、営利企業である民間企業でも、経営理念に「従業員の自己実現と幸福」の視点を加えることは、しばしばあるようです。ご参考まで。


2-3 ジェネリック医薬品について
石田の理解では、現在の日本のジェネリック医薬品は、先発約と同じ成分と量であることは確かなようですが、効果が同じかは確かめられていません。有効成分の溶出の速さや添加物の作用など、先発約とジェネリック医薬品の効果が同じでない可能性を考慮すべき合理的な理由もあるので、 page6 にあるジェネリック医薬品の説明は間違っている可能性が高いと、石田は考えます。


実際にジェネリック医薬品を医療に用いる際には、医薬品についての知識を十分に備えた専門家の方の判断があるものと思います。この計画に「ジェネリック推進」と書いたばっかりに、この専門家の方の判断がないがしろにされるようなことが無いように、計画を運用していただけますようお願いいたします。


石田の意見は以上です。


2009/02/18 追記:
よく考えたら禁じられてるんじゃなくて、ありゃ原則だったな。まぁ、だいたいあってるから良し。